
直帰率とは?SEOとの関係や平均値、GA4での確認方法を紹介

「直帰率とは何を指しているの?」
「直帰率はSEOに関係ある?」
このようなお悩みを抱えてはいませんか。
本記事では、直帰率とは何かやSEOとの関係性、直帰率が高くなる原因と対策について解説します。
自社サイトの直帰率を正しく調査し、改善に導きたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
- 直帰率の計算方法や離脱率との違い
- 直帰率の平均値
- 直帰率とSEOの関係性
- GA4における直帰率の確認手順
- 直帰率の改善方法
直帰率はSEOとの因果関係はありませんが、検索順位へ間接的に影響を与えます。自社サイトのSEOに不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
直帰率とはそのページだけを見て離脱したユーザーの割合
直帰率とは、Webサイトを訪れたユーザーが、1ページだけを閲覧してサイトを離れた割合を示す指標です。
ブラウザの「戻る」ボタンをクリックしたり、タブを閉じたりして、他のページを見ることなくサイトから離脱した場合を直帰としてカウントします。
直帰率は、以下の計算式で算出可能です。
直帰率(%)=直帰数÷全セッション数×100
たとえば、あるLPに1日8件の訪問があったとします。このうち6件はLPを見た後に別のページへ移動し、2件は他のページを見ることなくサイトから離脱した場合、直帰率は「2÷8×100=25%」と計算できます。
直帰率と類似した指標である「離脱率」との違いは以下のとおりです。
- 直帰率:ユーザーが「最初の1ページ」から離脱した割合
- 離脱率:最初の1ページに限定せず、ユーザーが測定対象のページから離脱した割合
ユーザーが企業サイトを訪れ「TOPページ」⇒「製品紹介ページ」⇒「導入事例ページ」と移動したのちサイトを離れた場合、ユーザーは「導入事例ページ」で離脱しています。離脱率を計算する際は「導入事例ページ」から離脱した割合を算出します。
直帰は離脱の一部であり、1ページだけを閲覧して離脱することを「直帰」と呼んでいるのです。
直帰率の平均値
直帰率の平均値は、そのWebサイトが属する業界によって差があることがわかっています。CXLが公表しているレポートによると、最も直帰率が高いのは飲食業界(65.52%)、最も低いのは不動産業界(44.50%)でした。
業界 | 平均直帰率 |
---|---|
飲食 | 65.52% |
科学 | 62.24% |
リファレンス | 59.57% |
人々と社会 | 58.75% |
ペットと動物 | 57.93% |
ニュース | 56.52% |
芸術とエンターテインメント | 56.04% |
書籍と文学 | 55.86% |
美容とフィットネス | 55.73% |
住まいと園芸 | 55.06% |
コンピューターと電子機器 | 55.54% |
趣味と余暇 | 54.05% |
インターネット | 53.59% |
自動車と乗り物 | 51.96% |
金融 | 51.71% |
スポーツ | 51.12% |
旅行 | 50.65% |
ビジネスと産業 | 50.59% |
仕事と教育 | 49.34% |
オンラインコミュニティ | 46.98% |
ゲーム | 46.70% |
買い物 | 45.68% |
不動産 | 44.50% |
参照:CXL「Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?」
直帰率が業界によって大きく異なる理由の1つとして、Webサイトの構造的な違いが挙げられます。
飲食業界のWebサイトは、場所や営業時間、電話番号などの情報が1ページにまとめられていることが一般的です。そのため、ほとんどのユーザーは他のページに遷移することなく目的を達成できます。
一方、不動産業界のWebサイトでは、ユーザーがさまざまな物件を比較するうえで複数のページを回遊するため、結果として直帰率が低くなります。
続いて、Webサイトの種類ごとに平均直帰率を比較した調査結果も確認してみましょう。業界で比較した場合と同様に、差が生まれることが示されています。
Webサイトの種類 | 平均直帰率 |
---|---|
ECサイト | 20~45% |
B2B | 25~55% |
リードジェネレーション | 30~55% |
コンテンツサイト | 35~60% |
LP | 60~90% |
辞書・ブログ・ポータルサイト | 65~90% |
参照:CXL「Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?」
直帰率の高さをどこまで許容できるかは、Webサイトを運営する目的によっても異なります。自社のWebサイトの直帰率が高くても、ユーザーの目的が達成されている場合はネガティブに捉える必要はありません。
業界やWebサイトの種類による平均直帰率を参考にしつつ、Webサイトを運営する目的を踏まえてパフォーマンスを分析することが大切です。
SEOと直帰率は直接的に関係しない
SEOと直帰率には、直接的な関係はありません。GoogleのMatt Cutts氏は、2008年に「直帰率は検索順位に影響しない」とコメントしています。
読者の悩みを1記事で解決し、満足させられるページは、直帰率が高くなるものの読者にとっては有益といえます。つまり、直帰率が高いという理由だけで、Googleがそのページの評価を下げることはありません。
一方で、直帰率はユーザーの満足度が低いページにおいても高くなることに注意が必要です。ユーザーは「ここに自分が求めている情報はない」「読み進める価値はない」と感じれば、直帰の行動を取ります。低品質なページはGoogleからの評価を受けづらく、結果として検索順位を下げる要因になり得ます。
直帰率は直接的に検索順位へ影響しないものの、記事のクオリティや読者の満足度を優先してコンテンツを作成することが大切です。
直帰率がSEOに影響すると誤認される理由
直帰率は、一般的にユーザー体験の指標と考えられていることから「直帰率の高いページ=ユーザーの満足度が低いページ」と解釈されがちです。そのため、直帰率が検索順位に影響すると考える人も少なくありません。
しかし実際は、直帰率が検索順位へと影響を与えているわけではなく、直帰率を左右するページの特徴がSEOに影響を与えています。
以下は、直帰率が高くなるページの典型的な特徴です。
- ページの読み込みが遅い
- デザインが見にくい
- ユーザーの検索意図とコンテンツの内容が合致していない
- モバイルフレンドリーではない
これらの特徴は、SEOにおけるマイナス要素でもあります。つまり、直帰率が高くなる要因が、同時に検索エンジンの評価を下げる可能性があるのです。
直帰率とSEOに因果関係はないものの、お互いに関係し合っていることを考慮しておきましょう。
GA4で直帰率を確認する方法
Webサイトの直帰率は、Googleが提供する最新のアクセス解析ツール「GA4(Google Analytics4)」で確認可能です。GA4における直帰率は、ユーザーエンゲージメントをより正確に反映する指標として活用できます。
なおGA4の場合、以下のいずれかに該当するセッションは、1ページだけを閲覧して離脱した場合でも直帰としてカウントされません。
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2回以上のページビューもしくはスクリーンビューが発生したセッション
GA4では、長時間ページに滞在したセッションはエンゲージメントとして計測されるため、直帰率が低く出やすいことを留意しておきましょう。
以下では、実際にGA4で直帰率を確認する方法を2種類紹介します。
1. データ探索で確認する方法
GA4の左メニューで「探索」をクリックし、「自由形式」を選択します。
「変数」タブの下部「指標」の横にある「+」をクリックします。
指標から「直帰率」を検索し、チェックを入れたのち「確定」をクリックします。
追加した直帰率は「指標」の下に表示されているため、「設定」タブの「値」の位置までドラッグ&ドロップで移動します。
画面右側に直帰率が表示されます。期間やセグメントを設定し、見やすいレポートを作成しましょう。
2. 標準レポートをカスタマイズする方法
「レポート」をクリックし、「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」を選択します。
画面右上の鉛筆アイコンをクリックして「レポートをカスタマイズ」の画面を表示したのち、レポートデータの「指標」をクリックします。
メニューの下部にある「指標を追加」をクリックし、「直帰率」を選択のうえ「適用」をクリックします。
画面右下のレポートに直帰率の項目が追加されます。
画面上部で「新しいレポートとして保存」をクリックして活用しましょう。
直帰率を改善する方法
直帰率を改善するうえでの基本は、ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し、使いやすいWebサイトを構築することです。直帰率が高いことは必ずしも悪いことではないので、サイト運営の目的に応じて適切に判断しましょう。
そのうえで、平均よりも直帰率が高い場合は、以下の方法で改善を試みることが有効です。
1. 検索意図に合致したコンテンツを作成する
第一に、ユーザーのニーズに合った情報を提供することが大切です。直帰率は、訪問者が期待している情報とページの内容が合致していない場合に高くなります。
たとえば「パソコン おすすめ」と検索したユーザーは、どのようなパソコンを購入するべきか具体的な選択肢を知りたいと思っています。開いたページでおすすめ商品が紹介されていない、もしくは商品数が十分でない場合、ユーザーはより多くの情報を求めて直帰してしまうでしょう。
ユーザーニーズは、以下のような方法によって分析できます。
- 検索結果の上位に表示されているコンテンツを調査し、共通して盛り込まれているトピックを整理する
- サジェストキーワードや関連キーワードをチェックし、潜在的なニーズを汲み取る
- Yahoo!知恵袋をはじめとするQ&Aサイトで、実際にユーザーが抱えている悩みを把握する
分析結果をもとに、適切な情報を過不足なくコンテンツに盛り込みましょう。
2. タイトルを裏切るようなコンテンツとしない
タイトルから期待される内容と、実際のコンテンツとの整合性を高めることも重要です。
ユーザーは、タイトルを見て「自分の問題を解決できるか否か」を判断します。たとえば、タイトルには「初心者向け」と書いてあるのに、実際は専門用語を多用しているコンテンツは直帰を誘発するでしょう。
メインキーワードは一目でわかるようタイトルの前半に配置し、コンテンツの文章にも不自然にならないよう盛り込みます。見出しや内容を作成する際もキーワードを意識し、タイトルとの一貫性を保つことが有効です。
3. 読みやすい文章を心がける
重要な情報は導入や見出しなどの目立つ部分に配置し、読みやすさを重視したコンテンツを作成しましょう。情報取得のストレスを感じさせない文章は読者の集中力が持続しやすく、結果として直帰を防ぐことにつながるためです。
- 最初に結論を述べる
- 一文を短くし、複数の情報を詰め込まない
- 難解な用語の使用を避け、漢字と平仮名のバランスを考慮する
- 同じ語尾を続けない
上記のポイントを意識して文章を作ることで、コンテンツの内容がよりユーザーに伝わりやすくなります。
4. コンテンツの視認性を改善する
コンテンツの視認性が低いWebサイトも、直帰率が高くなる傾向にあります。ユーザーは、求める情報を即座に見つけられることを期待してページを開くためです。
文章が長々と続いているページや情報が整理されていないページは、読者から「求める情報を探すのに時間がかかる」と判断されてしまうでしょう。
コンテンツの視認性を改善するうえでは、以下のようなポイントを押さえることが有効です。
- ファーストビューでページの内容を端的に伝える
- 箇条書きやテーブルを活用して情報を整理する
- 写真やイラストを適宜挿入して文章の連続を避ける
- 読者が最も知りたい情報をページ上部に配置する
- 色使いを工夫する
「ユーザーは最初の10秒でページに滞在するか否かを決める」ことを示すデータもあります(※)。客観的な視点でコンテンツの視認性を評価するためには、複数人でのチェック体制を整えることが有効です。
※参照:Nielsen Norman Group「How Long Do Users Stay on Web Pages?」
5. レスポンシブデザインを採用する
レスポンシブデザインとは、さまざまな端末の画面サイズや解像度に応じて、自動的に表示を最適化するWebデザインのことです。
パソコンやタブレット、スマートフォンなど、どのようなデバイスから閲覧しても見やすい表示とすることが、ユーザー体験の向上に寄与します。
総務省の調査によると、端末別のインターネット利用率(個人)は、「スマートフォン(68.5%)」が「パソコン(48.1%)」を20.4%上回ることがわかっています。
7割近くのユーザーがスマートフォンでインターネットを利用することを考慮すると、モバイル非対応のWebページは離脱の要因になるでしょう。
レスポンシブデザインはGoogleも推奨しているため、SEOの観点からも有効な対策だといえます。
6. ページの読み込み速度を速める
直帰率は、ページの読み込み速度によって大きく変動します。読み込みの遅さはユーザーにストレスを与え、離脱を誘発するためです。
実際、Googleの調査においても「ページの読み込み速度が1秒から10秒に長くなると、モバイルサイトの訪問者が直帰する確率は123%増加する」ことが判明しています(※)。
ページの読み込み速度が遅くなる原因としては、ファイルサイズが大きい画像や動画、不要なスクリプトなどが挙げられます。したがって、表示速度の改善には以下のような対策が有効です。
- 画像の圧縮やサイズの最適化を図る
- スクロール読み込み(遅延読み込み)を実装する
- 不要なスクリプトやCSSを削除する
※参照:Think with Google「Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed」
まとめ|ユーザー体験を重視したSEO改善に直帰率を意識しよう
直帰率は、ユーザーのニーズや期待とのミスマッチによって高くなります。良好なユーザー体験はSEOの観点でも必要不可欠なので、直帰率はSEOに間接的に影響しているといえるでしょう。
ただし、1記事で十分な情報が得られるページにおいては、直帰率が高くなる傾向にあります。このケースではユーザーが満足のうえ離脱しているため、必ずしも直帰率の高さが問題とはいえません。
まずは、自社のWebページが担う役割を明確にしてみましょう。そのうえで、直帰率が平均より明らかに高い場合は、本記事を参考に改善策を講じてみてはいかがでしょうか。
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