
ページ表示速度がSEOに与える影響は?目指すべき目安値や計測方法を解説

「Webページの表示速度が遅く、SEOへの影響が気になるが改善方法がわからない」
「Webページの表示速度の測定方法や目安が知りたい」
このような悩みを感じていませんか。
表示速度の遅さは、SEOに悪影響があるだけでなく、ユーザーの離脱率を上げてしまいます。
当記事では、ページ表示速度がSEOに与える影響や表示速度を改善する方法を解説します。目安の表示速度から測定方法までを紹介しているので、参考にしてください。
- ページ表示速度がSEOに与える影響
- Webページの表示速度を測定できるツール
- ページ表示速度を改善する方法

ページ表示速度がSEOに与える影響
ページ表示速度がSEOに与える影響には、以下の3つがあります。
それぞれの内容を解説します。
1. ユーザーの直帰率
ページ表示速度が遅いと、直帰率が高まります。ユーザーに対し「イライラする」「他のサイトを見た方が早い」と感じさせるためです。
とくにモバイルユーザーは、以下の2つが重なると強いストレスを感じがちです。
- 表示速度が遅い
- 不安定なネットワーク環境
ページの表示に数秒以上かかる場合、ユーザーは別のサイトに移動する傾向があります。
実際に、ページの読み込み時間が1秒から10秒に延びると、直帰する確率が123%増加するというデータもあります(※1)。この傾向は、とくにモバイルサイトにおいて顕著です。
モバイルでネットワークが不安定な環境でも快適に利用できるよう、表示速度の最適化に取り組むことが重要です。
※1 参考:モバイルページの読み込み速度と離脱率に関する新しい業界ベンチマーク
直帰率については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
直帰率とは?SEOとの関係や平均値、GA4での確認方法を紹介
2. Googleの検索順位
Googleの検索順位を決める要素の1つに、ページ表示速度があります。
ページ表示速度が重要視される理由は、ユーザーが快適にWebページを閲覧できるかどうかに大きく影響するためです。
2022年2月からGoogleはユーザー体験を向上させるため、3つのCore Web Vitals(LCP、FID、CLS)をパソコンの検索ランキングに適用し始めました。
Core Web Vitals(LCP、FID、CLS)の指標内容は、それぞれ以下の通りです。
Core Web Vitals | 内容 |
---|---|
LCP (Largest Contentful Paint) | 主要なコンテンツが表示されるまでの時間 |
FID (First Input Delay) | ユーザーの操作や動作に対する応答の速さ |
CLS (Cumulative Layout Shift) | ページレイアウトの安定性 |
ユーザー満足度の基準を満たしていないと評価されるのは、以下のような状態です。
- ページの読み込み時間が遅い
- 視覚的安定性がない
- 操作応答速度が悪い
表示速度の遅さは、ユーザーの不満につながるだけでなく、検索順位の低下にも影響します。
とくにCore Web Vitalsの指標を意識して最適化を行うことが、検索順位の維持・向上には欠かせません。
3. CVR
ページ表示速度の遅さは、購入や申し込みの機会損失を生み出します。
表示の遅いページに対してユーザーは不満を抱きやすく、購入や申し込みを諦めてしまうためです。
さらに、購入意欲だけでなく、ブランディングにも悪影響があります。ユーザーは表示速度の遅さを感じると、企業に対してもネガティブな印象を持つのです。
Amazonでは、1秒の遅延が年間売上で 16 億ドルの損失を与えると計算しています(※)。
ページ表示速度を改善することで、コンバージョン率が向上します。さらには良好なユーザー体験により、ブランディング強化にもつながるのです。
※参考:How One Second Could Cost Amazon $1.6 Billion In Sales
SEOを意識するならページ表示速度は2.5秒以内が目安
ページ表示速度とは、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから、ページが完全に表示されるまでにかかる時間のことです。
ページが2.5秒以内に表示されることで、より良いユーザーエクスペリエンスにつながるとGoogleが発表しています(※1)。
ページ表示速度が遅いと、ページが表示される前にサイトを離れてしまう可能性が高くなります。
最近では、スマートフォンでのインターネット利用が増えており、モバイルでの高速表示が必須です。
ページの読み込み時間が1秒から3秒に延びると、直帰率が32%増加することもわかっています(※2)。
スマートフォンでの利用が増加している現状から、モバイル表示速度の改善に取り組むことが、ビジネスの成功につながるといえるでしょう。
(※1)参考:優れた LCP スコアとは
(※2)参考:Think with Google Marketing Strategy
Webページの表示速度を測定できるツール
Webページの表示速度を測定できるツールは、以下の3つがあります。
ここで紹介するツールはすべて無料で、客観的なデータから改善箇所の把握ができます。
それぞれの内容を解説します。
1. Google PageSpeed Insights
Google PageSpeed Insightsは、Webページの表示速度を評価し、改善提案を行うためのツールです。
パソコンとスマートフォンにおける読み込み速度を、Google独自の100点満点のスコアで表示してくれます。ページの最適化に必要なアドバイスも確認できます。
改善によって短縮できる時間の見積もりも表示されるため、何から手をつけるべきかの優先順位が決めやすくなるのは利点といえるでしょう。
2. Google Analytics
Google Analyticsはページごとの読み込み時間を分析し、サイト内の他のページと比較できるツールです。
各ページの読み込み時間がサイト全体の平均と比較されるため、パフォーマンスが低下しているページを簡単に特定できます。
また、レポート画面の「行動」>「サイトの速度」>「概要」もしくは「ページ速度」で詳細な情報を確認できます。平均よりも遅いページが赤色、速いページが緑色で視覚的にわかりやすく表示されるため、効率的に改善できるでしょう。
Google Analyticsはページごとの読み込み時間を比較し、改善点を特定するのに有効です。
3. Google Chromeのデベロッパーツール
Google Chromeのデベロッパーツールは、Webページの読み込み時間を詳細に確認できるツールです。
デベロッパーツールのメリットは、ページの読み込みが完了するまでにかかった正確な時間(「Finish」の時間)を確認できるだけではありません。
「Network」タブで表示されるウォーターフォールチャートを通じて、どのリソースがボトルネックになっているかを視覚的に把握できることが大きな利点です。
ウォーターフォールチャートとは、Webページが読み込まれる際に画像やCSS、JavaScriptなどがどのようなタイミングで、どれだけの時間をかけて読み込まれたかを視覚的に表したグラフのことです。
ページの表示速度に悪影響を与えている部分を特定できるため、改善策を講じやすくなります。
特定の画像の読み込みが遅い場合、ウォーターフォールチャートで時間を要していることを視覚的に確認できます。
ページの読み込み時間を測定しボトルネックを視覚的に特定するには、Google Chromeのデベロッパーツールが効果的です。
ページ表示速度を改善する方法
ページ表示速度を改善するには、以下の5つ方法があります。
それぞれの内容を解説します。
1. 画像を軽量化する
画像は、Webページの読み込み時間に影響を与える要素の一つです。適切なファイル形式を選択して圧縮すれば、読み込み時間を大幅に短縮できます。
代表的な画像形式のメリット・デメリットは、以下の通りです。
形式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
JPEG | ・写真や複雑な画像に適している
・圧縮率が高いため、ファイルサイズを大幅に小さくできる |
・画質が劣化しやすい
・透過できない |
PNG | ・透過できる
・高品質 |
・ファイルサイズが大きい |
WebP | ・JPEGやPNGと同等の品質なのにサイズは小さい | ・サポートされていないブラウザがある |
WebPに対応している環境であれば、画像サイズが小さくても品質が担保されるWebPが推奨されます。
画像サイズが大きすぎる場合、TinyPNGのような圧縮ツールを使って軽量化を図りましょう。
2. 自社サイトのキャッシュを設定する
自社サイトのキャッシュの有効期日や最大経過時間をサイト側で設定することで、サーバーへのアクセス回数を減らし、ページ表示速度を改善できます。
キャッシュを有効化すると、サイトに再アクセスした際にサーバーから再度データを取得する必要がありません。ローカルに保存されたデータを利用して表示するため、読み込みが速くなります。
とくに、頻繁に更新しない画像やCSS、JavaScriptファイルに対してキャッシュを設定することで、サーバー負荷を軽減できるでしょう。
頻繁に変更されないリソースであれば、キャッシュ期間を1週間から1年程度に設定するのがおすすめです。
3. 不要なコードを削除する
Webページの更新を繰り返しているうちに、使用されていないCSSやJavaScriptが残ってしまうことがあります。不要なコードが原因で、ページの読み込みが遅くなることも少なくありません。
HTMLファイル内で使用されていないスタイルや関数を削除することで、ファイルサイズが小さくなり、ページの表示速度が向上します。
コードを削除する前には必ずバックアップを取りましょう。一見不要だと思っていたコードが、実際は必要なコードの可能性もあるためです。技術的な知識が必要な場合は、開発者やエンジニアに相談してください。
4. ページを遅延読込させる
ページを遅延読込させることで、初期表示時の読み込みデータ量が減るため、表示速度が向上します。
遅延読込の具体的な仕組みは、以下の通りです。
- ユーザーが実際に見ている画面内の画像だけを優先的に読み込む
- スクロールで次の画像が画面に近づいたら、その画像の読み込みを開始する
最初からすべての情報を表示させないようにすることで、ページの初期表示が速くなります。
また、すべての画像を一度に読み込む必要がないため、サーバーへの負荷も分散されるのも利点です。
遅延読込を活用すれば、Webサイトがスムーズなユーザー体験を提供できるようになります。
5. AMPを導入する
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、モバイルページを高速で表示させるための手法です。Googleが中心となり、オープンソース(誰でも自由に使える方式)として開発されました。
WordPressの場合、AMPプラグインをインストールし、必要に応じてカスタマイズすれば導入が可能です。
AMPは専用のソースコードとキャッシュを使用し、モバイルページの軽量化を実現しています。とくにニュースサイトやブログなどのテキストコンテンツでは、AMPの導入が進んでいます。
ただし、AMPにはリッチな表現や動的なコンテンツの実装に制限があるため、ビジュアルやユーザーの操作を重視したサイトには不向きな点には注意してください。
まとめ|SEOのためにページ表示速度を改善しよう
ユーザー体験の向上とSEOの両面から、ページ速度の改善は欠かせない重要な取り組みです。
サイトが迅速に表示されることでユーザーの離脱を防ぎ、検索エンジンからの評価も向上します。定期的に表示速度を測定し、改善点を洗い出すことがサイト運営の鍵といえます。
SEO効果を最大限に引き出すためには、画像の軽量化やキャッシュの活用、不要なコードの削除などの具体的な対策を行い、継続的な改善を心がけましょう。
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