オウンドメディアにおけるペルソナの重要性とは?作り方や実例も紹介
Webマーケティングを通じて自社の売り上げを伸ばしたいのであれば、オウンドメディアのペルソナ設定は欠かせません。
しかし、メディア運営者の方からはこのような声も聞こえてきます。
「ペルソナが大事なのは分かっているけど、実際どうやって作ればいいの?」
「ペルソナ作成後はどのように活用すればいいの?」
本記事では、こうしたオウンドメディアのペルソナに関する疑問や不満を解消していきます。
ペルソナ設定のメリットから、作成方法や作成時の注意点まで詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
- ペルソナの概要
- ターゲットとの違いを紹介
- オウンドメディアで決めるメリット
- ペルソナの設定手順と例
- 押さえておきたい設定時の注意点
オウンドメディアにおけるペルソナとは
オウンドメディアにおける「ペルソナ」とは、自社メディアの典型的かつ具体的な読者像のことです。
ペルソナは本来、周囲に見せるための顔(本心とは異なる外的側面)という意味の心理学用語ですが、マーケティングでは「理想的あるいは典型的な顧客」という意味で使われます。
オウンドメディアでペルソナを設定する際には、年齢・性別・職業・価値観・習慣など詳細なプロフィールを決めます。オウンドメディアにおいてペルソナを設定する目的は、読者ニーズを具体的に把握し、コンテンツの方向性を決めるためです。
オウンドメディアにおけるペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットは、読者の解像度に大きな違いがあります。ターゲットは40代女性など特定の読者グループを指し、ターゲットの中の一個人をピックアップしたものがペルソナです。
ターゲットを深堀りした読者がペルソナになるため、ペルソナ作成の前に、まずはターゲットを決めることになります。
ターゲットをしっかりと絞ったうえでペルソナ設定に取りかかることで、自社のサービスに合ったペルソナ設定が可能となり、サービス品質の向上や自社の認知度アップにつながります。
オウンドメディア運営でペルソナを設定するメリット
オウンドメディア運営でペルソナを設定するメリットは、以下の3つです。
ペルソナを作るひと手間で、オウンドメディアの運営上でさまざまなメリットを得られます。以下では、それぞれのメリットについて詳しく紹介します。
制作するコンテンツの方向性が決まる
オウンドメディアのペルソナを設定することで、Webコンテンツの方向性を明確にできるメリットがあります。
方向性が定まれば、コンテンツ作成に関わるプロジェクトチームが同じゴールを目指せるようになります。
反対にコンテンツの方向性が不明瞭な場合は、想定する読者層やゴールがコンテンツ間で異なってしまい、一貫性がなくなりがちです。
チーム一丸でコンテンツを作成できれば、コンテンツ品質や更新スピードの向上が可能となり、オウンドメディアの成果アップにつながります。
ユーザー第一のコンテンツを制作できる
ペルソナ設定を意識してコンテンツを作れば、自然と読者ニーズを満たす「ユーザー第一のコンテンツ」となり、Googleに有益だと判断されやすくなります。
ユーザーを第一に考えたコンテンツとは
特定のユーザー層がすでに存在しているか、想定されており、その人たちがビジネスまたはサイトを直接訪問した際に、コンテンツを有用だと感じてくれる
参照:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
Googleから有益と認識されたコンテンツは、見込み客が自社と関連するキーワードで検索した際に、検索ページの上位に表示されやすくなります。
Googleに評価されるコンテンツ制作のコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。
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幅広いコンテンツを横展開できる
一度決めたオウンドメディアのペルソナは、動画配信やメルマガなどさまざまなコンテンツへ活用可能です。
たとえばSEO記事を作るために設定したペルソナで、YouTube動画を作成する・SNSを運用するなど、今後コンテンツを増やしていく際にも役立ちます。
すでに所有しているコンテンツで一定の集客や収益が得られているのなら、新規コンテンツを展開してさらなる事業拡大を狙ってみるのも良いでしょう。
オウンドメディアにおけるペルソナの設定方法
オウンドメディアにおけるペルソナ設定の手順は、以下のとおりです。
ペルソナ設定は、オウンドメディア設計の根幹ともいえる部分です。誤ったペルソナ設定でオウンドメディアの価値を下げないように、順番にチェックしながら進めましょう。
1.市場調査をする
まずは市場調査を行い、オウンドメディアの顧客層のニーズや疑問点を知ることが大切です。
ニーズや疑問点が分かれば、オウンドメディアで発信すべき情報や売り出すべきサービスなどが自然と浮かんでくるでしょう。
調査には、以下のような媒体が参考になります。
- 競合サイト
- X(旧Twitter)
- Yahoo!知恵袋
競合他社が運営している競合サイト(オウンドメディア)の場合、ターゲットである顧客層が自社の顧客層と被っています。
つまり、競合サイトで発信されているメディアやサービス内容を確認することで、顧客層のニーズを知るヒントとなるのです。
XやYahoo!知恵袋では、プロフィール欄の年齢や性別などの基本情報まで確認しましょう。投稿されている内容に対して、どのような読者が興味・関心を持っているのかを把握できます。
より的確なペルソナ設定のために、質問内容に書かれているサービスへの疑問点や不満点などもチェックしておきましょう。
2.ペルソナのプロフィールを作る
市場調査の結果を踏まえて、ペルソナの基本情報を作成しましょう。
ペルソナのプロフィールを作成するためには、「デモグラフィック」と「サイコグラフィック」の2種類を設定する必要があります。
デモグラフィックとは、年齢や性別など外見的(社会経済の属性的)なデータのことです。
対して、サイコグラフィックは性格や趣味などの内面的(心理学的)なデータのことを指します。
デモグラフィック | サイコグラフィック |
---|---|
・年齢
・性別 ・学歴 ・職業 ・役職 ・年収 ・貯蓄額 ・家族構成 ・居住エリア |
・性格
・趣味 ・習慣 ・価値観 ・休日の過ごし方 |
いかに詳細なプロフィールが作成できるかで、コンテンツの品質が変わります。作成するうえで情報が不足する場合には、必要に応じて市場を再度調査しましょう。
3.悩み・課題を想定する
市場調査の内容とペルソナのプロフィールをもとに、ペルソナがもつ悩み・課題を考えてみましょう。ペルソナの悩みや課題をコンテンツに含めることで、読者ニーズを満たすオウンドメディアへと成長していきます。
たとえば「格安SIMに関する情報を発信するメディア」を閲覧するであろうユーザーは、以下のような悩み・課題を持っていると想定されます。
- おすすめの格安SIMを知りたい
- 格安SIMの通信料金の相場を知りたい
- プラン別のギガ数を知りたい
- 大手キャリアと比較してセキュリティや信頼性に不安を感じる
- 災害時や昼休みにきちんと使えるか疑問がある
上記のようにリストアップした悩みや課題の一覧が、以降の企画立案やキーワード設計などに役立ちます。
成果につなげるためにも、できる限りたくさんの課題を具体的に想定することが重要です。
4.完成後のペルソナを複数名でチェックする
最後に、完成したペルソナに対して「プロフィールと課題に齟齬がないか」「固定観念が入っていないか」を複数人で確かめましょう。
一人の担当者だけで作成した場合、無意識に固定観念や偏見が入ってしまう可能性もあるからです。二重、三重にチェックし、問題点を改善していくことで、適切なペルソナが完成します。
なお、ペルソナ設定の重要性や市場調査については、以下の動画でも詳しく解説しているので参考にしてください。
オウンドメディアにて設定したペルソナの活用方法
オウンドメディアで設定したペルソナは、以下のような活用が可能です。
ペルソナは、コンテンツの企画立案から制作にまで役立ちます。以下では、設定したペルソナを無駄にしない活用方法について具体的に紹介します。
コンテンツの企画立案に役立てる
ペルソナを設定しておけば、ユーザーの具体的な悩みや課題を踏まえたコンテンツ作成が可能となり、有益な企画を立案できます。
またペルソナは、コンテンツのキーワード選定時にも役立ちます。たとえば、占い情報のオウンドメディアでペルソナを「彼氏と同棲中の女性」と設定する場合には、関連キーワードのうち「占い 出会い」など現状の想定悩みに合わないものは簡単に排除できます。
ペルソナが明確な場合には取捨選択がスムーズになり、より読者ニーズに合うキーワード選定が可能です。
検索数が多いキーワードや上位化が見込めるコンテンツでも、ペルソナの悩みや課題から離れたものでは十分な成果につながりません。
読者の悩み解決に直結するコンテンツを作成するためにも、ペルソナを積極的に活用しましょう。
コンテンツ制作に携わるライターや編集者に共有する
コンテンツ制作に携わるプロジェクトメンバーには、事前にペルソナを共有しておくと制作がスムーズになります。
ペルソナを意識しないでライターや編集者が制作を進めると、想定の方向性とは異なるものに仕上がり、届けたい人に届かない恐れがあります。
なお、オウンドメディア全体で設定したペルソナと、キーワード(コンテンツ)単位で見たペルソナは若干異なる場合もあるので注意してください。
たとえば、格安SIMのオウンドメディアで設定するペルソナが「公務員の52歳男性」であったとします。
しかし「格安SIM 海外」のキーワードでは「海外赴任を控える国家公務員の52歳男性」といったように、キーワードにより寄せたペルソナになることもあります。
制作するコンテンツに合わせて、ペルソナを調整しましょう。
ペルソナを考慮したコンテンツに仕上がっているかどうかは、直接コンテンツを制作するライターを含め、メンバー全員でチェックすることが重要です。
オウンドメディアにおけるペルソナ設定の例
以下では、オウンドメディアのペルソナ設定方法について、具体例を2つ挙げて紹介します。
どのようにペルソナを作成すればよいか悩んでいる方は、それぞれ参考にしてください。
格安SIMに関する情報を発信するオウンドメディアのペルソナ設定
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 山田タカオ |
年齢 | 52歳 |
性別 | 男 |
年収 | 340万円 |
家族構成 | 妻・下宿中の大学生一人 |
居住エリア | 千葉県松戸市 |
仕事 | サービス業 |
趣味 | ・野球観戦 ・映画鑑賞 |
平日の過ごし方 | 仕事で終わる |
休日の過ごし方 | ・家族で買い物に行くことが多い ・隙間時間はXを見る |
格安SIMの主要ユーザーは、「稼ぎが少ない20代の若い世代」とイメージする方もいるでしょう。しかしMVNOの利用者アンケートから、実際は「40〜50代の男性」が主な利用者であるとわかります。
引用:公正取引委員会「MVNO利用者アンケート結果」
今回は52歳の男性と仮定して、職業を「サービス業」へ絞りました。市場調査より、50代男性はサービス業への転職率が高い傾向にある、かつ平均年収の低さから格安SIMへ興味を持ちやすいと想定できるからです。
このように、利用者動向がわかるコンテンツや調査を活用すると、ペルソナ設定がスムーズとなります。
占いに関する情報を発信するオウンドメディアのペルソナ設定
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 山田ハナ |
年齢 | 28歳 |
性別 | 女 |
年収 | 300万円 |
家族構成 | 独身(同棲中の彼氏あり) |
居住エリア | 愛知県名古屋市 |
仕事 | 一般事務 |
趣味 | ・Xを見る ・フリマ出品 ・国内旅行 |
平日の過ごし方 | 仕事が無い日は趣味のフリマを楽しむ |
休日の過ごし方 | 彼氏とお出かけか、ひたすらSNSチェック |
占いを利用する方は、「何かしらの悩みを解決したい」という背景をもつ傾向にあります。そして占いに価値を見出す女性の多くが悩むのは、「結婚と仕事」のことです。
そこで、女性が結婚へ踏み切るきっかけになる「同棲中」を家族構成へ含め、薄給の悩みにつながる「国内旅行」などリッチな趣味を設定しました。
このように、利用者の背景を想像し、ペルソナに落とし込んでいくことが大切です。
オウンドメディアにおけるペルソナ設定の注意点
オウンドメディアのペルソナ作成時に失敗しがちなポイントは、以下のとおりです。
上位表示されない、成果が上がらないコンテンツは、ペルソナ設定を見なおすことで改善につながるケースも珍しくありません。
以下では、ペルソナ設定時の注意点を詳しく紹介します。
大雑把に作らない
性別や年代だけなどペルソナを大雑把に作ると、疑問や課題の具体化ができず、今後制作するコンテンツが間違った方向に向かってしまう恐れがあります。
コンテンツの方向性を誤った結果、疑問解決に至らないような「読者ニーズとは外れたコンテンツ」になってしまう可能性が考えられます。
読者ニーズを満たせる有益なコンテンツを作るためには、デモグラフィックとサイコグラフィックを細かく設定することが重要です。
固定観念や偏見を持たない
固定観念や偏見は、正しいペルソナを設定するうえで省くべきです。たとえば、「若者は絶対に格安SIMを使っている」「女性はみんな占いが好き」のような属性に対する固定観念や偏見は捨てましょう。
固定観念・偏見にとらわれると、ペルソナのニーズから逸れたコンテンツになる恐れがあります。
ペルソナから固定観念と偏見をなくすためには、複数の競合サイトやSNSなどから読者情報を収集し、市場情報をもとに設定することが重要です。
理想像とは区別して作る
ペルソナ設定の際は、オウンドメディアにとって都合良く作らないように注意が必要です。自社サービスの販売や認知度アップを前提に、自社にとって都合のよいペルソナを作ると、実際の読者層とはかけ離れるケースが考えられます。
たとえば、「水質にこだわったウォーターサーバー」の認知拡大を狙ったオウンドメディアを立ち上げたとしましょう。
ここで、水質の良さを売り出したいあまり、ペルソナを「水が大好きな人」と早計に設定すべきではありません。実際の利用検討者からは「水代を節約したい」「子どもに水道水を飲ませたくない」などのニーズも考えられるからです。
もちろんオウンドメディア設計時に自社の強みを考慮することは大切ですが、ペルソナは第三者視点を取り入れて慎重に設定する必要があります。
また自社が理想とするペルソナは、すでに顧客となっている場合も多くあります。そのため理想とは異なる層を取り入れることで、新しい顧客層へアプローチでき、自社の売り上げアップや規模拡大につながります。
適切なペルソナ設定でオウンドメディアの価値を上げよう
オウンドメディアを成功に導くうえでは、固定観念や偏見の無い適切なペルソナ設定が重要です。
正しいペルソナをイメージできればユーザー第一のコンテンツを制作でき、コンバージョン率の向上につながります。
本記事で紹介した内容をまとめると、以下のようになります。
- ペルソナ設定によりオウンドメディアの方向性が決まる
- ペルソナ設定により社内間の共有・実行がスムーズになる
- 適切なペルソナ設定のためには市場調査が大切
- 偏見や自社の希望をこめたペルソナ設定をしない
とはいえオウンドメディア運営のノウハウが無い場合には、うまく設定できず苦労することでしょう。
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