SEO戦略とは?設計の手順や何をすればいいのかを解説
「SEOの戦略がうまく立てられない」
「SEOの戦略を立てたが、進め方がわからない」
このような悩みを抱えてはいませんか。
当記事では、SEO戦略の基本とポイントについて解説します。
SEOの戦略を立てるためには、検索エンジンが何をどのように評価しているのかを理解する必要があります。
また、SEOは戦略を実践してもすぐに結果がでるものではないため、まずはサイトの分析を行い計画的に進めなければなりません。
SEOの具体的な戦略を立てる際、戦略の進め方を検討する際に、当記事を参考にしていただければ幸いです。
SEO戦略とは
SEO戦略とは、自社の課題や目的に応じて、適切な内容・タイミングでSEO対策をするための戦略のことです。
SEO対策には、サイト構造の見直しやタイトルの工夫、被リンクの獲得など、多くの施策が必要となります。
さらに考慮すべきは、Googleの検索アルゴリズムの動向です。ユーザーの検索意図に応えるため、Googleは日々アップデートを繰り返し、定期的に大きなアルゴリズムの変更を行なっています。
したがって、効果的なSEO施策を行なうためには、最新のトレンドや施策方法を把握しておかなければなりません。
SEOにおいて戦略立案が重要な理由
SEO施策は簡単に実施できるものから実施工程が複雑なものまで多岐にわたります。手法が多いため、実施できそうな部分から手当たり次第に取り組みがちです。
しかし、戦略立案せずに取り組むことは、効果的ではありません。
下記の4つの理由から、SEOにおいては戦略立案が重要です。
それぞれ具体的に解説します。
中長期の施策であり、時間がかかるから
SEOは短期間で効果がでる施策ではありません。たとえ良質なコンテンツを発信しても、Googleに評価されるまでには一定の時間がかかるからです。
- コンテンツが公開される
- Googleのクローラーがそれを発見し、インデックス(検索エンジンのデータベースへの登録)される
- コンテンツおよびサイト全体が評価される
サイト全体が一定の評価を得ていないと、上記2〜3に要する時間は長くなります。新規サイトやSEO施策を未実施のサイトは、Googleに評価されるまでに半年〜1年以上はかかると考えておきましょう。
時間がかかるからこそ、中長期的な戦略で効率的に進めていくことが必要不可欠です。
施策実施のために関わる人が多いから
SEO施策はチームで取り組むことが多く、戦略を立てておかなければチームがうまく機能しません。
チームメンバーは、ディレクター、エンジニア、デザイナー、ライターやその他の関連するメンバーなど、実行する施策によってさまざまです。
誰がどのように動くのかを決めるうえでも、戦略を立てることが重要となります。
また、そもそも社内で施策実施のためのリソースが不足している場合、追加の構成員を検討しなければなりません。リクルートを実施するとなれば、当然コストと時間がかかります。
効果的なSEO施策を少人数で行なうことは難しいため、まずは戦略を立てることから取り組みましょう。
施策成功の難易度が高いから
ニッチな領域を狙うケースを除けば、多くのキーワードに競合サイトや競合記事があり、競合他社がすでに戦略を立てて進めている状況です。そのような中で、自社が勝てる戦略を吟味しなければなりません。
戦略がなければ上位表示ができず、時間をかけても成果が出ない状況に陥ります。結果的に費用対効果が悪くなるため、戦略の立案は重要です。
小回りがききにくいから
ここまで紹介したように、SEO施策は成功するまでの障壁となるものが多く、かつ時間やコストもかかります。したがって「とりあえず試してみる」で成功するのは難しい状況です。
多くのメンバーで施策に取り組む場合、小回りはさらにききにくくなるでしょう。
「とりあえず試してみる」ができないからこそ、成功確率の高い戦略を用意しておく必要があります。
SEO戦略実行までのステップ
検索エンジンは、以下3つの軸にもとづいてWebサイトを評価しています。
- ドメイン評価
- サイト構造
- コンテンツ
検索順位は上記それぞれの相対評価で順位が決まるため、戦略を立てて対策を実施しなければなりません。SEO戦略を実行する具体的な流れは以下のとおりです。
- 商品・サービスの強みを洗い出す
- ペルソナを設定する
- カスタマージャーニーを設計する
- 対策キーワードを選定する
- サイトマップを整理する
- サイト構造を見直し内部修正項目を洗い出す
- 良質なコンテンツを考える
- 被リンク獲得施策を設計する
- スケジュールを作成する
それぞれのステップを解説します。
1.商品・サービスの強みを洗い出す
コンテンツを作成する前に、自社の商品・サービスの価値や得意分野などを洗い出すことからはじめます。
強みを明確にしておかないと、ユーザーに対して何を訴求すべきなのか定まらないためです。
強みを洗い出すために着目すべきは、自社商品・自社サービスと他社商品・他社サービスとの相違点です。どのような点で差別化できているのか、ユーザーにどのような価値を提供できるのかを考えます。
自社でしか実現できない、唯一無二の価値を見つけられれば理想的です。
たとえば、以下のような要素で他社にまさる部分がないかを検討してみましょう。
- コストパフォーマンスに優れている
- 品質の高さが優れている
- カラーバリエーションやオプションなどの選択肢が多い
- アフターサービスが充実している
SEO戦略の第1歩として、企業が売り出したいものではなく、顧客が価値を感じられる強みを洗い出してください。
2.ペルソナを設定する
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する典型的なユーザー像のことです。ペルソナを具体化するために、自社の商品やサービスを利用するユーザーのことを想像しながら、下記のような項目に落とし込んでいきます。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 居住地
- 興味関心
- 悩みや課題
- 行動傾向
できる限りターゲットを絞り、ペルソナのイメージを作り上げてください。
ペルソナを設定することで、ユーザーのニーズや検索意図を理解し、それに沿ったコンテンツ作成やサイト設計ができます。
3.カスタマージャーニーを設計する
次に、SEO戦略の目的を達成するためのカスタマージャーニーを設定します。
カスタマージャーニーとは、消費者が企業と接触し、ユーザーになるまでの過程です。
カスタマージャーニーを整理することで、潜在層から購入に至るまでの全体フローで必要な施策が整理できます。
例として、Webマーケティングの外注化を検討している企業を考えてみましょう。カスタマージャーニーマップは下記のようになります。
カスタマージャーニーの段階は下記の4つです。
- 明確な課題を感じずに情報収集している段階
- 漠然とした改善方法を検討する段階
- 課題解決の方法を検討する段階
- 具体的な課題解決に向けて行動する段階
上記のようにカスタマージャーニーを設計することで、ユーザーニーズのより深い理解が可能です。結果として、ユーザーニーズに沿ったコンテンツ作成やサイト設計ができます。
カスタマージャーニーの詳細については、下記のYouTube動画を参考にしてください。
4.対策キーワードを選定する
SEO戦略では対策キーワードが重要な鍵を握ります。自社の商品・サービスに関連するキーワードでなければ、上位表示しても購入や成約につながらないためです。
また、競合性が高すぎるキーワードのみしか選定していないと、上位表示ページが少なくなり、一向にサイト訪問者が増えない可能性があります。
対策キーワードを選定する際には、以下の観点から検討します。
- 自社商品・サービスの強みと関連性がある
- 検索ボリュームがある
- 競合が少ない
たとえばプログラミングスクールへの成約を目指したいのであれば、「(言語名)+勉強方法」「(言語名)+初心者」など、ペルソナが検索し得るキーワードを候補とします。
あわせて、そのキーワードで上位表示されるページを見て、自社のコンテンツで勝ち筋があるかどうかを検討しましょう。
なお、対策キーワードを選定する際は、検索ボリュームも考慮する必要があります。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
▼関連記事
狙うべき検索ボリュームの目安は?無料ツールを使った調べ方も紹介
5.サイトマップを整理する
対策キーワードが決まったら、コンテンツを作成する前にサイトマップを整理します。
サイトマップとは、サイト全体の構造のことです。ユーザーが知りたい情報へとスムーズに辿り着くために、どこにどのページを配置するのが適切かを検討します。
このタイミングで、今後作ろうとしているコンテンツを見据え、カテゴリーを検討しておくことも大切です。どのカテゴリーにどの対策ページを設けるかを検討し、ユーザーが欲している情報を網羅的に得られるようにします。
コンテンツを先に考えるのか、カテゴリーを先に考えるのかは問いませんが、コンテンツの数が膨大になる前にカテゴリーを整理しておくのがおすすめです。
6.サイト構造の見直しと内部修正項目の洗い出しを行う
検索エンジンから評価を得るためには、サイトの内部構造を最適化しておく必要があります。
サイトの内部構造にマイナス部分があると、せっかく良質なコンテンツを制作してもGoogleページ内容を正しく認識することができず、結果的に順位上昇を妨げてしまう恐れがあります。
洗い出しポイントの例を下表にまとめましたので参考にしてください。
項目 | 見直すポイント |
---|---|
モバイルファースト | モバイルフレンドリー(スマホ対応)になっているか |
内部リンクの最適化 |
|
パンくずリスト(サイトの階層をわかりやすく表示したもの) |
|
構造化マークアップ(クローラーにサイトのテキスト情報をより詳細に伝える) | Q&Aページ、パンくずリスト、商品情報など、リッチリザルト(検索結果上に表示される視覚的な情報)に表示させたい情報に構造化マークアップを適用できているか |
robots.txt(検索エンジンに対して収集されたくないコンテンツをクロールしないように制御するファイル) |
|
上記の一つ一つは簡単な見直しで済むかもしれませんが、網羅的に見直しを行うことで、結果としてページの上位表示につながります。
7.良質なコンテンツを考える
SEO戦略の肝となるのが、良質なコンテンツの提供です。ユーザーの検索意図に沿った有益なコンテンツを考えましょう。
コンテンツはユーザーが読んで「ためになった」「面白かった」と感じる内容でなければなりません。
また、良質なコンテンツであるためには、検索エンジンと相性がよいことも重要なポイントです。検索意図に沿った有益なコンテンツを作成することで、ユーザーの満足度を高めます。
良質なコンテンツを作成するためには、以下の観点からの検討がおすすめです。
- 検索意図
- ユーザーのニーズ
- 自社商品・サービスの強み
上記はこれまでSEO戦略として手順を踏んできた内容です。コンテンツ作成時にも、再度確認しながら良質なコンテンツを作成しましょう。
また、良質なコンテンツの作成には事前準備も大切です。下記の記事はコンテンツ制作の流れを詳しく解説していますので、参考にしてください。
▼関連記事
コンテンツ制作の流れは?制作前の準備や整えるべき体制も解説
8.被リンク獲得施策を設定する
被リンク獲得は、ドメイン評価を上げるための一つの指標となっています。多くの他サイトに参照されているサイトは、検索エンジンが有益なサイトとみなすためです。
被リンクは、量だけでなく質も重要です。ただ量を増やすのではなく、権威性や信頼性の高いサイトから被リンクを得ることを目指しましょう。
被リンクは良質なコンテンツを作成することで自然に得られますが、簡単なことではありません。そこで以下のような施策が有効です。
- 他メディアへのリンク掲載依頼
- プレスリリースの配信
- コンテンツへのシェアボタンの設置
- シェアされやすいコンテンツの企画・作成
被リンクの重要性やおすすめの獲得方法は以下のYouTube動画でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
9.スケジュールを作成する
SEO施策は短期間で成果が出るものではないため、長期的な視点でみたスケジュールを作成しなければなりません。
スケジュールの作成には、人的リソースの確保や目標値の設定、将来的な展望まで優先順位を検討する必要があります。
以下の手順で作成しましょう。
- 施策の優先順位を決める
- 各施策の実施期間を決める
- 施策の成果を測定するための指標を決める
SEO施策は終わりなき戦いと考えるべきです。戦略を立てて実施すれば終わりではありません。成功の鍵は長期的な継続です。
スケジュールを作成する際にも、長期的な視点で考えることをおすすめします。
SEO戦略を成功させるためのポイント
SEO戦略を成功させるためには、以下3つのポイントをおさえなければなりません。
それぞれ詳しく解説します。
競合サイトを分析する
検索順位は、競合との相対評価によって決まります。したがって、競合サイトの分析は必須となります。
競合サイトの分析により、自社サイトの強みや弱みや改善点の把握ができます。
主な分析内容は下記の3点です。
- 競合サイトの検索順位
- 競合サイトのコンテンツ(内容ページ数、作成テーマ、コンテンツの詳しさなど)
- 競合サイトの被リンク状況
ツールなどを活用し、上記の内容を分析します。そのうえで、自社サイトの戦略を立案しなければなりません。競合サイトの分析は重要なので、じっくり分析してSEO施策に取り組んでください。
継続的に改善する
SEO対策は一度施策を実施すれば終わりではなく、継続的にコンテンツを改善し続ける必要があります。
競合他社は上位表示されているコンテンツを日々分析して戦略を立案・実施しており、常に新たな競合が生まれています。
したがって、今の検索順位に関係なく継続的にWebサイトの状況を分析し、分析結果にもとづいて改善していくことが重要です。
古くなった情報は最新の情報に更新し、必要なコンテンツを追加します。SEO戦略は継続を踏まえたうえで立案しなければなりません。
最新の情報を収集する
検索エンジンは頻繁にアップデートを繰り返しています。したがって、常に最新のSEO情報を収集し、適切な施策を実施することが重要です。
とくにGoogleの検索エンジンは定期的に大きなアルゴリズム変更があります。アルゴリズム変更を無視して現状の施策を続けた結果、検索順位が上がるどころか下がってしまう恐れもあるでしょう。
アルゴリズムの変更に伴い、コンテンツの評価基準も変化するため、SEO施策もきめ細やかな対応変更が必要です。
SEO戦略を実行するメリット
SEO戦略の主なメリットは以下の2点です。
それぞれ詳しく解説します。
コストをかけずに集客できる
SEOと対比する方法として、リスティング広告やSNS広告があります。どちらも広告費を支払って、検索画面やSNS上に広告を表示させるものです。
リスティング広告やSNS広告は継続的に費用を支払う必要がありますが、SEO施策は上位表示が叶えばその後は追加のコストなしで集客ができます。
もちろん定期的なリライトを行うには追加コストがかかりますが、リスティング広告やSNS広告のような長期的なコスト発生とはなりません。
費用対効果を得やすいという観点から、SEO戦略の実行には大きなメリットがあります。
長期的な効果が期待できる
SEO施策は、一度実施すれば長期的な効果が期待できる点が大きなメリットです。SEO施策を行なったコンテンツは、検索エンジンのアルゴリズムが変更されても、露出がなくなることはありません。
一方、広告運用の場合は掲載期間や予算に応じて効果が変動するため、出稿停止や予算削減と共に効果が得られなくなります。
また、SEO施策によって検索順位が向上する際には時間がかかりますが、逆に検索順位が短期間で極端に下降するケースは比較的少ないです。よって、長期的な集客効果が期待できます。
SEO戦略を実行する際の注意点
SEO戦略を実行する際の注意点は以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
効果はすぐにはでない
SEO施策は、短期間で効果が得られるものではありません。どのような戦略を立案しても即効性はなく、順位の反映には一定の時間がかかります。
そのため、「1ヶ月後には利益を出したい」のように考える場合は、そもそもSEO施策が不向きな可能性があります。
少なくとも半年〜1年以上の長期的な視点で効果を期待する必要があるでしょう。
競合サイトとの競争が激しい
現在は多くの企業がWebサイトからの集客に注力しているため、SEOによって上位表示を目指す際の競合が非常に多い状況です。
したがって、同じキーワードで上位表示を狙うサイトが多く存在する場合、検索順位を上げるのが難しいことはいうまでもありません。
競合性の高いキーワードで上位表示を目指すには、競合サイトに勝る戦略の実施と良質なコンテンツが必須となります。
専門知識が必要
SEO施策には、多くの専門知識が必要とされます。検索上位となる条件をGoogleが公表しているわけではなく、知見に基づいた施策を実施する必要があるからです。
本記事で紹介した戦略実行のステップも、サイトの状況や達成したい目的によってケースバイケースで変わってきます。そもそも自社に知識がなければ、実行は難しいでしょう。
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SEOで効果的な集客を実現するには、最初に戦略を立案し、継続的に実施していくことが重要です。
SEOを戦略的に実施することで、長期的なコストをかけず、かつ効率的に集客できるメリットが得られます。
ただし、SEOの戦略には知識とスキルが必要となります。検索エンジンはアップデートを繰り返しているため、常に最新の情報を収集しなければ立案した戦略も意味をなしません。
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