SEOメディアの作り方は?オウンドメディアのSEO対策を解説【フラップネクスト式の成功事例】
「SEOメディアとはどのようなメディアのことを指すのか知りたい」
「SEOに強いオウンドメディアを作る方法が知りたい」
オウンドメディアは、Webマーケティングにおける顧客獲得の手段として多くの企業が活用しています。
しかし、検索エンジンから集客を狙うには、SEO対策も同時におこなわなくてはなりません。
この記事では、SEOに強いオウンドメディアの作り方と成功させるコツ、事例をSEO対策のプロが解説します。
- SEOメディアの概要
- SEOに強いオウンドメディアを作る準備・企画方法
- SEOに強いオウンドメディアの立ち上げ方
- SEOに強いオウンドメディアのコンテンツ作成方法
- SEOに強いオウンドメディアを作るための効果測定・分析方法
- SEOに強いオウンドメディアを作るための内部・外部対策
- オウンドメディアのSEO対策を実行するコツ・注意点
- オウンドメディアにおけるSEO対策の成功事例
SEOメディアとは
SEOメディアを作るうえで把握しておきたい基礎知識をまとめて紹介します。
SEOメディアとは|オウンドメディアをSEO対策する目的
SEOメディアとは、SEO (検索エンジン最適化)対策をおこない、Googleなどの検索エンジンからの流入を主体としたオウンドメディアのことです。
SEOメディアの目的は、検索キーワードの意図に沿ったさまざまな記事を作成して、見込み客をオウンドメディアに誘導することです。
これにより、自社商品・サービスの申込みや購入といった貴社が定めるビジネス上の目的達成が促されます。
オウンドメディアにおけるSEO対策の評価基準とは
SEO対策は、「Googleの検索エンジンで上位表示させる対策」です。
なぜなら、日本で行われるWeb検索のほとんどがGoogle検索によるものだからです。
実際に、2019年5月~2020年5月における日本の検索エンジンのシェアは、Googleが75.53%と報告されています。
全体の4分の3のシェアがあるため、Google対策をおこなうことが最優先事項です。
Googleの評価基準における最大のポイントは、「ユーザーファースト」です。
Googleでは、検索エンジンを利用するユーザーは常に何らかの疑問・解決すべき課題を抱えていると考えています。
ユーザーが検索した質問に対して的確かつ悩みを解決できる回答を検索結果として示すことを重視しています。
つまり、オウンドメディアにおけるSEO対策では、ユーザーのニーズを満たせる情報・専門性・独自性を盛り込むことが求められるのです。
具体的には、以下の考え方や基準に沿ってSEO対策を行うことが大切です。
基準・考え方 | 概要 |
---|---|
Googleが掲げる10の事実 | Googleが会社の理念として掲げている10箇条のこと。 「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」「1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番」など。 全体を通して徹底的なユーザーファーストの姿勢がうかがえる。 |
E-E-A-T | 良質なWebサイトを評価する基準をGoogleが独自に定めたもので、以下4つの評価基準からなる。
・E:Experience(経験) オウンドメディアで信頼できる高品質なコンテンツを提供するには、そのトピックにおける経験を有し、専門知識が豊富で、作成者や情報提供者が正しい情報源として認知されていることが重要とされる。 |
参考:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan
オウンドメディアのSEO対策に注目が集まる背景
オウンドメディアの構築・運用にあたってSEO対策に注目が集まっている背景には、主に以下があります。
背景 | 概要 |
---|---|
企業によるWebマーケティングの競争激化 | インターネットが普及し、ビジネスのオンライン化が進むなかで、企業間の競争が激しくなっている。
検索エンジン上で上位に表示されることは消費者の注目を集めやすく、新規顧客獲得や売り上げ向上につながるため、SEO対策が重要視されている。 |
消費者による検索エンジン利用の高まり | スマートフォンの普及に伴い、消費者が検索エンジンを日常的に利用するようになっている。
購入前の情報収集やサービス選定で、多くの消費者が検索エンジンを利用しているため、SEO対策が消費者の意思決定に直接影響を与える重要な要素となっている。 |
オウンドメディアを運用しているほとんどの企業がSEO対策を実施しています。
そのため、SEO対策を実施しないと検索エンジンで上位表示させることが難しいです。
オウンドメディアからユーザーにアプローチするためには、SEO対策が必須といえます。
SEOに強いオウンドメディアの作り方|準備・企画
ここからは、SEO対策を意識したオウンドメディアの作り方を以下の流れに沿って解説します。
上から順番に把握し、貴社のオウンドメディア構築にお役立てください。
まず本章では、SEOメディア制作における準備・企画の方法として、以下2つのプロセスを解説します。
SEOメディア制作における準備・企画①運用の目的を決める
はじめに、オウンドメディアを運用する目的を決めましょう。
オウンドメディアを運用する目的によって、ターゲットとなるユーザーおよび、発信すべきコンテンツの内容や方向性が変わるためです。
もしも目的を明確に決めないままオウンドメディアを運用すれば、以下のような問題が生じることがあります。
問題 | 概要 |
---|---|
戦略のブレ・無駄な取り組み | 組織内で戦略のブレや無駄な取り組みが生じる可能性がある。 効率的なマーケティング活動ができず、リソースの浪費や目標達成の遅れにつながる。 |
コンテンツの品質低下 | 対象となるユーザーが明確でなくなり、結果としてコンテンツの品質が低下する。 顧客の興味・関心を引くコンテンツが作れず、見込み客の獲得が難しくなる。 |
目標達成の困難 | 達成すべき目標が定まらず、成果の測定や改善ができない。 結果的に、貴社のビジネス上の目標に対する貢献が見込めなくなる。 |
上記のような問題を回避するためにも、まずはオウンドメディアを運用する目的を定めましょう。
一般的に、オウンドメディアを運用する目的としては、以下のような内容が設定されます。
目的 | 概要 |
---|---|
集客・リード獲得 | 商品・サービスに興味がある訪問者がオウンドメディアを閲覧すれば、問い合わせや資料請求につながる。
例:健康食品メーカーが運営するオウンドメディアにおいて、健康に関する情報や食材の栄養価・レシピなどターゲット顧客が求める情報を提供し、リード獲得を目指す。 |
認知拡大・ブランディング | 他社との相違点や貴社が掲げる理念を発信することで、認知拡大や企業のブランディングにつながる。
例:コスメブランドが運営するオウンドメディアにおいて、メイクの方法や製品レビューを作成しInstagramやYouTubeなどのプラットフォームで拡散することで、ブランドの認知度向上を目指す。 |
採用 | 経営者のメッセージ・ビジョン・社員インタビュー・福利厚生・職場環境・業務内容・募集要項などを発信することで、自社に興味関心を抱いてもらい採用につながる。
例:IT企業が運営するオウンドメディアにおいて、エンジニアのキャリアパスや社内の勉強会を紹介することで、求職者の関心を引き付ける。 |
収益化 | 「広告掲載」などを実施し、オウンドメディアへの訪問者を集め収益化につなげる。
例:自社商品の購入につなげるため比較紹介記事を作成。比較する他社製品は、アフィリエイト広告があるものを設置する。 |
SEOメディア制作における準備・企画②内製もしくは外注を選択する
SEOメディアの制作・運営は、自社のリソースでおこなう「内製」と外部の企業に委託する「外注」という2つの方法があります。
効率的にSEOに強いメディアを作るためにも、内製もしくは外注いずれの手段を取るのか事前に決めておくと良いでしょう。
内製でSEOメディアの制作・運営をおこなうメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・コストを削減できる ・独自性とブランドの一貫性を維持できる ・制作会社とのやり取り・調整が不要で、迅速にコンテンツ更新・改善を実施できる ・社内スタッフのスキルアップにつながる |
・人材の確保と維持にコストがかかる ・時間・リソース面で制約がある ・専門知識不足によるコンテンツの品質低下のおそれ ・客観的な意見や視点が欠如する |
これに対して、SEOメディアの制作・運営にあたって外注を選択するメリット・デメリットを下表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・専門知識やノウハウ、技術力を活用できる ・時間とリソースを節約でき本来の業務に注力できる ・客観的な意見が得られ、ユーザーのニーズや期待に応えるコンテンツ作りに役立つ |
・外部への依頼に伴いコストが増加する ・適切なコミュニケーションや指示が不十分だと、ブランドイメージにそぐわないコンテンツとなる ・コミュニケーションが円滑でないと、制作の遅延や品質低下につながる |
コストを削減したい場合や、貴社の独自性とブランドの一貫性をできる限り維持したいという場合には内製を選ぶと良いでしょう。
一方で、自社内に十分なリソース・ノウハウがない場合は、外注の活用が望ましいです。
両者のメリット・デメリットを比較するとどちらも一長一短ありますが、必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はありません。
折衷案として内製と外注を組み合わせて運用する方法もあります。
たとえば、多くのリソースが必要なコンテンツ制作を外注し、残りのオウンドメディア更新や記事コンテンツのリライト・修正などを内製化する方法です。
折衷案では内製・外注のデメリットを解消し、両者のメリットを享受できます。
フラップネクストでは、貴社の予算や目的に合わせオーダーメイドで支援を実行しております。
「戦略設計や構築だけ外注したい」
「ゆくゆくは内製でコンテンツ制作できるようノウハウを教えてほしい」
貴社のご要望に合わせご提案いたしますので、お気軽に現状の課題をお聞かせください。
SEOに強いオウンドメディアの作り方|メディアの立ち上げ
準備・企画が整ったら、いよいよオウンドメディアの立ち上げ作業をおこないます。
具体的なプロセスは、以下3つの手順です。
SEOメディアの立ち上げ手順①CMSの決定
内製もしくは一部外注する場合、貴社でCMSを決定する必要があります。
CMS(Content Management System)とは、オウンドメディアのコンテンツを管理・編集・公開するためのシステムのことです。
テキスト・画像・動画などのコンテンツを効率的に管理できるよう設計されている特徴があります。
ITの専門知識がないスタッフでも容易にオウンドメディアを更新することが可能です。
オウンドメディアの立ち上げに用いられているCMSには、代表例として以下の種類があります。
CMSの名称 | 概要 |
---|---|
WordPress | オープンソースのCMSでカスタマイズ性が高く、スキルがあれば、オウンドメディアに必要なページを容易に作成できる。 日本人に最も選ばれているCMS。 |
Movable Type | パッケージ型のCMSで、サイト負荷に強い耐性がある。 日本製で信頼性の高さが評価されており、サポートも充実している。 |
ShareWith | 国内のクラウド型CMSで、IR・コーポレートサイト用に特化しており、セキュリティ対策にも強みがある。 グラフの自動生成や承認フロー機能など、組織としてCMSを運用する場合に向いている。 |
この中でもオウンドメディアの制作・運用に慣れていない場合におすすめのCMSは、WordPressです。
出典:https://wordpress.com/ja/
WordPressには、オウンドディアを立ち上げるうえで以下のような魅力があります。
- 無料
- 使用しやすい
- プラグインが豊富で拡張性が高い
- 利便性のある多種多様なカスタマイズ
- 情報が多い
- SEOに強い
Googleからのお墨付きがあるうえに、SEOに関するプラグインが豊富に揃えられている点は魅力的です。
SEOメディアの立ち上げ手順②サイトとディレクトリの構造を明確に設計
オウンドメディアの立ち上げにあたっては、サイト構造(サイトマップ)の設計も大切です。
サイト構造を適切に設計しないと、検索エンジンからの集客が見込めません。
Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーの入力した検索クエリに対して最適な解答を表示するために、日々Web上にロボット(=クローラ)を巡回させています。
クローラに認識されたWebサイトやページはインデックス登録され、検索結果に表示される仕組みです。
SEOに強いオウンドメディアを立ち上げるには、クローラの巡回を促し、スムーズにサイトやページを評価してもらう必要があります。
この施策をクローラビリティの最適化と呼んでいます。
クローラビリティの最適化を図るには、サイトの構造を単純かつ論理的に設計しておくことが大切です。
サイト構造の設計と合わせて、サイト内にあるコンテンツを見つけてもらいやすくするにはディレクトリ構造の設計が必要不可欠です。
ディレクトリ構造の設計では、コンテンツの住所を階層に分けて設定して、ユーザーが興味・関心のある領域から欲しい情報までたどり着けるようルートを作ります。
オウンドメディアでは、以下のようなディレクトリ構造がよく見られます。
- 第一階層:トップページ
- 第二階層:コンテンツのカテゴリページ
- 第三階層:個別の記事ページ
情報が探しやすいよう階層ごとにグループ化されていないと、閲覧までのルートが不適切と判断されて、クローラから評価を受けにくくなります。
ただし、コンテンツを細分化した結果、ディレクトリ構造の階層が深くなりすぎてしまうのも避けなければなりません。
クローラーがコンテンツに辿りつくまでに時間がかかりすぎてしまい、最深部にあるコンテンツを重要視しなくなってしまう可能性があるためです。
そのため、階層はなるべく5階層程度に抑えつつ、重要なコンテンツは1~3の階層で発見できるよう設計することが望ましいです。
SEOメディアの立ち上げ手順③オウンドメディア内でのルールを統一化
オウンドメディアの大枠が決まったら、コンテンツ作成に移行する前にルールを策定しましょう。
最初にオウンドメディア内でのルールを統一しておくと、後から全面的なリニューアルを避けられ、無駄な工数を減らせます。
オウンドメディアのコンテンツ作成では、一般的に以下のようなルールが設けられます。
- 書き手のキャラクター(例:フランクな文章の可否・一人称の使い方など)
- 写真のテイスト(例:文字を入れた画像を作成・フリー素材など)
- 記事の文体(例:〜だ・〜である・〜です/ますなど)
- 禁止事項(例:文章のコピペなど)
ターゲットとなる顧客に合わせてルールを決めて、オウンドメディアの立ち上げメンバーや外注先の制作会社などに共有することが大切です。
SEOに強いオウンドメディアの立ち上げ方|コンテンツ作成
オウンドメディアの構築作業が終わったら、いよいよコンテンツを作成します。
SEOメディアのコンテンツ作成手順は、大まかに以下2つの流れで進みます。
SEOメディアのコンテンツ作成①対策キーワードの戦略設計
コンテンツ作成にあたっては、まずSEO対策をおこなうキーワードの戦略設計から始めます。
Googleから評価されるには、ユーザーニーズを満たしたコンテンツを作る必要があります。
そのためにはユーザーの検索意図を踏まえたキーワードの戦略設計が欠かせません。
キーワードの戦略設計をおこなう際は、以下のポイントを意識することが大切です。
チェックポイント | 概要 |
---|---|
キーワードを網羅的に洗い出す | ベースのキーワードを顧客からのヒアリングなどで洗い出す。
関連するキーワードをツールを用いて出していく。 |
重複するキーワードを省く | 同じ文言やスペースの有無で重複するキーワードを見つけて省く。
「同じ検索意図のある全く異なるキーワード」についてもツールと目視で見つけ出して省く必要がある。 例:「医療脱毛 ランキング」と「医療脱毛 おすすめ」は同じ検索ニーズのあるキーワードといえるため、どちらかを省く。 |
キーワードに優先順位をつける | カテゴリー(意味のかたまり)別に分けたうえで、ターゲットとなる顧客のニーズが大きい分野から優先的にコンテンツ作成を始める。
例:エンジニア人材派遣のオウンドメディアにおいて、Ruby(ルビー)の言語に高いニーズがある場合、Rubyのカテゴリーから優先してコンテンツを作成する。 |
対策キーワードの戦略設計について、詳しくは以下の動画で解説していますので、併せてご確認ください。
SEOメディアのコンテンツ作成②記事制作
対策キーワードが定まったら、記事制作に移行します。
記事制作は主に以下の流れで進行します。
プロセス | 概要 |
---|---|
①検索意図の把握 | 以下を実行して、検索意図を網羅的に把握する。
・上位10記事の記事からわかる顕在ニーズを把握 |
②記事の構成を作る | ユーザーの知りたい順序で、ツリー状の構造にて構成を作っていく。
記事のライティング前に骨組みとなる構成を作成しておくことで、以下のようなメリットがある。 ・スムーズにライティングできる |
③キーワードを意識しSEOに強いライティングを実施 | 構成に沿って、記事をライティングする。
ライティングの際は主に以下を意識する。 ・ユーザーニーズ |
また、上記の記事制作フローをより詳しく解説した記事も合わせてご確認ください。
SEOに強いオウンドメディアの作り方|効果測定と分析・改善施策の実行
SEOメディアはただ作って終わりではなく、その後の効果分析・改善の施策の実行を行うことで見込み客の獲得につながります。
そこで本章では、SEOメディアを作った後におこなうべき、効果測定と分析・改善の施策を進める流れを紹介します。
SEOメディアの効果分析・改善①SEOレポートの作成
はじめにSEOレポートを作成し、効果測定をおこないます。
SEOレポートとは、オウンドメディアのパフォーマンスを監視・評価し数値をまとめ、改善するために使用するツールのことです。
SEOレポートを定期的に作成することで、数値で現状の課題を明確にし、効果的なSEO戦略を継続的に講じられるようになります。
SEOレポートの作成方法を解説した記事も合わせて確認していただくことを推奨します。
フラップネクストでは、SEOレポートのテンプレートを公開しています。
どのような内容を記載し、どのように測定すべきかが簡単に理解できるマニュアルも付いているので、数値の分析が苦手な方でもスムーズにご活用いただけます。
フラップネクスト独自のSEOレポートサンプルをぜひご利用ください。
なお、SEOレポートの作成にあたっては、以下のツールを使用するのが一般的です。
ツール | 概要 |
---|---|
GRC | 検索順位チェックツール。
直近の順位変化だけでなく、過去のすべての順位変化もグラフ表示できる。 |
Googleアナリティクス | Web分析ツール。
Webサイト・アプリのトラフィックやユーザー行動を追跡・分析できる。 |
Googleサーチコンソール | インターネット検索の分析ツール。
WebサイトがGoogle検索でどのように表示されているかを分析し、SEOのための改善策を提案してくれる。 |
SEOメディアの効果分析・改善②リライトをおこなう
SEOレポートとツールを用いて分析した結果をもとに、順位向上につながる記事を導き出し、記事をリライトします。
Googleの品質評価ガイドラインによると、良質なコンテンツには、ユーザーの検索ニーズとの合致や専門性が求められます。
ユーザーの検索意図とそれを満たす情報は時間とともに移り変わるものです。
ユーザーの検索ニーズとの合致を図るには、定期的にリライトをおこない常にフレッシュネスな情報に更新しておかなければなりません。
具体的には、以下の手順でリライトを進めていきます。
- 対象のコンテンツを抽出する
- コンテンツごとにリライトの内容を企画する
- リライト作業に取り掛かる
対象コンテンツの抽出は以下の点を抑えて実行します。
- 公開から6ヶ月経っている記事を抽出
- 狙っているキーワードの順位・トラフィック数を洗い出す
→4〜20位を獲得している記事を狙ってリライトする - 獲得順位が低いもののトラフィック数の多い記事を洗い出す
→意図していないキーワードで順位を獲得している可能性
→順位獲得したキーワードで高順位を狙えるようにリライト
また、リライトの企画内容とその後の作業については以下の点が大切です。
- サーチコンソールを利用しどのようなクエリで表示されているか確認
- 順位を獲得していて、順位上昇が狙えそうなキーワードを選定
- 狙うキーワードに合わせて情報の追加・構成順序の変更などを実施
- 既存ドキュメントにどこにどのような情報を追加するのか赤入れして、ディレクターとライターへ共有
上記で説明した点は、以下の動画でも解説しております。あわせてご確認ください。
SEOメディアの効果分析・改善③CROをおこなう
リライトと並行して、効果分析した結果をもとに、コンバージョン(成約)率を高めるための施策(CRO)を打ち出していきます。
CROは、ユーザーの行動やオウンドメディアの指標を定量的・定性的に分析しつつ、サイトの構造や導線経路全体を改善してコンバージョン率を高めて収益に結びつけるための施策です。
CROの施策例は次の通りです。
施策の例 | 概要 |
---|---|
CTAボタンの設置 | 設置位置の見直し →リード文・記事中盤・まとめ・ポップアップなど ボタン色の見直し →トンマナを意識するあまり目立たないボタンとなっていないか |
訴求文の見直し | ユーザーにとってベネフィットが伝わる訴求文かを見直す 成約数の高い記事の訴求文を他記事へ生かす |
CV内容の見直し | 単価が高い商材はコンテンツを読んだだけでは購入に至らない可能性がある ユーザーの興味関心度に合わせ「メルマガ申し込み」などのCVポイントを追加する |
トラフィックが多いにも関わらずCVを獲得できていない記事から優先して実施しましょう。
SEOに強いオウンドメディアの立ち上げ方|内部対策と外部対策
SEOメディアの立ち上げにあたっては、内部・外部対策も重要です。
本章では、それぞれの対策方法とメリットを解説します。
SEOメディアの内部対策
SEOメディアの内部対策とは、検索エンジンの特性に合わせてサイトの中身を対策することです。
内部対策では、具体的に以下の施策を講じます。
施策 | 概要 |
---|---|
XMLサイトマップの送信 | XMLサイトマップを更新し、ページの情報を検索エンジンに送信することで、クローラーが回ってきやすくなる。
サイトマップがあるとクローラーはサイトマップをもとにサイトを巡回するので、ページの取りこぼしが減る。 |
パンくずリストの設置 | サイトを訪れたユーザーの現在位置と辿ってきたルートを視覚的に示してくれるもの。
例:トップページ(HOME)>メインカテゴリ>サブカテゴリ>コンテンツタイトル |
グローバルナビゲーションの設定 | サイト内の全ページに共通で表示される案内メニューのこと。
ナビゲーションメニューに登録されているコンテンツはクローラーが重要コンテンツとして認識するため、アクセスを集めやすくなる。 |
常時SSL化(https化) | 通信が暗号化されてユーザーの通信が守られる。
情報漏洩の防止のためにも必ず実施する。 |
モバイル対応 | モバイル端末での表示を改善する施策。
Googleからユーザーフレンドリーなサイトだと認識され、検索順位が上がる。 |
表示・読み込みスピード | SEOの評価にプラスになる。
ページの表示速度を上げる対策方法は主に以下のとおり。 ・ブラウザのキャッシュを活用 |
内部対策の実施方法をより具体的に解説した記事も、あわせてご確認ください。
SEOメディアの外部対策
SEOメディアの外部対策とは、良質な外部リンクを獲得する(被リンクを得る)ためにおこなう施策のことです。
良質な被リンクを獲得することで、Googleなどの検索エンジンから自社Webサイトの評価が向上します。
また、他のWebサイトからクローラーが巡回しやすくなるため、早く見つけてくれる可能性が高まります。
これにより、インデックスの時間も短縮されるため、Webサイトの評価を早く進めてくれるでしょう。
被リンクを獲得する方法としては、以下の施策が一般的です。
- 良質なコンテンツを作成し拡散してもらう
- SNSを活用し拡散してもらう
- メルマガを配信する
- 他のサイトに寄稿する
良質な被リンクを集める方法は、「プレスリリースや協会への加入などで被リンクを集める」にて詳しく解説しています。
オウンドメディアのSEO対策を実行するコツ【フラップネクストのプロが伝授】
続いて、オウンドメディアのSEO対策を実行するコツとして、SEO対策のプロが4つのポイントに分けて解説します。
コンテンツ作成フローに専門家を配置する
作成フローの適切な場所にコンテンツの内容に詳しい専門家を配置することで、正確かつ独自性のあるコンテンツを作成できます。
専門家とは、次のような人のことです。
- その業界で実際に働いている人(FPの資格を持つ人、医師など)
- 教授や研究者など
- その分野のさまざまなサービスを利用した経験を持つヘビーユーザー
専門家だからわかることや、専門家ならではの切り口が記事に含まれていることで、競合サイトにはない独自性の高い記事を作成できます。
具体的には以下のポジションに専門家を配置するとよいでしょう。
- アドバイザー:全体を監修する人
- ディレクター:コンテンツの監修者
- ライター:コンテンツを作成する人
専門家が3つのポジションそれぞれに実態に即したアドバイスを提供することで、専門性が高く、競合他社と差別化できるコンテンツの作成につながります。
事前の広告出稿などで顧客のニーズを肌感覚で把握しておく
事前に広告出稿やオフライン営業などを通じてデータを集めておくことで、顧客が本当に抱えているニーズを肌感覚で感じることができます。
それを汲み取った内容のコンテンツを作成することが大切です。
対策キーワードの選定にあたって参考にできるデータがない場合、サジェストキーワードをひととおり洗い出したうえで、網羅的にコンテンツを作成しなければなりません。
非常に多くの期間・コストを費やす必要があります。
これに対して、事前に収集していたデータを通じて、勝ち筋のあるキーワードの予測をつけられれば、短期間で成果を得られる可能性があります。
場合によっては、予算半減だけでなく、スピーディにコンバージョン率の向上を目指すことも可能です。
プレスリリースや協会への加入などで被リンクを集める
被リンクの収集は、オウンドメディアのドメインパワーを高める効果があります。
現状のSEOでは「ドメインパワーの強いサイト=検索順位を獲得しやすい」傾向があります。
そのため、SEOに強いオウンドメディアを作るうえで、ドメインパワーの向上は重要な施策です。
具体的には、以下のような方法で被リンクを集めるとよいでしょう。
- 被リンク獲得営業をおこなう
- プレスリリースを活用する
- 関連性の高い協会や連盟へ加入する
そのほか、専門家への取材や監修の依頼、体験談の挿入、インスタやTwitterをはじめとするSNSの活用なども効果的です。
費用対効果を意識しつつ良質なコンテンツを作成する
前述のとおり、良質なコンテンツを作成するうえで、専門家やクライアントに監修に入ってもらうことは大切です。
その一方で、コンテンツ作成を外部に丸投げすることは大きなコストがかかるため避けるべきです。
コンテンツ作成に大きなコストをかけてしまうと、たとえCVが向上しても費用対効果が悪く、かえって損失を被るおそれがあるためです。
たとえば、コンテンツ作成は内製でおこないつつ記事の監修だけを外注するなど、コンテンツの質を担保しつつ、コストを抑えられるオペレーションを検討することが大切です。
オウンドメディアのSEO対策を実行する際の注意点
オウンドメディアのSEO対策で失敗しないためには、気を付けるべき点もあります。
本章では、オウンドメディアのSEO対策を実行する際の注意点を3つ紹介します。
トラフィックを増やすことだけに注力しない
検索ボリュームの多いキーワードでの対策を狙い、PV・アクセス数をとにかく増やすという方向性でSEO対策を進めることはおすすめできません。
たとえ貴社と深く関連しているキーワードであったとしても、貴社の商材のターゲットとなる顧客が検索するキーワードでない場合、CVにつながらないためです。
オウンドメディアのSEO対策では、CVにつながりやすいキーワードでPVとCVの両方を増やしていくことが望ましいです。
わかりやすく説明するために、「エンジニアの人材紹介をおこなう企業でオウンドメディアを運用するケース」を想定し解説します。
このオウンドメディアで対策キーワードを検討する場合、プログラミング言語である「Ruby とは」というキーワードは「Ruby 人材獲得」よりも検索ボリュームが大きいです。
しかしCV獲得の観点では、「Ruby 人材獲得」の方がCVにつながりやすいキーワードになります。
キーワード | CVへのつながりやすさ |
---|---|
Ruby とは | ・そもそも「Ruby 」とはなにかといった情報収集のニーズが強い ・これからプログラミングを勉強したいユーザーも含まれる |
Ruby 人材獲得 | ・Rubyを扱える人材を探す人事担当者が検索するキーワード ・CV獲得に直結する |
このように、SEOメディアの構築を検討する際は、トラフィックではなく、「どのキーワードで上位表示すると成果につながるのか?」という視点が重要です。
SEO対策は常に継続していく必要がある
ユーザーの検索意図とそれを満たすための情報は、常に移り変わります。
また、主要な検索エンジンのGoogleは年に2~4回ほどアルゴリズムのアップデートをおこなっている状況です。
アップデートにあたって、検索意図を満たしていない記事は大きく順位が下落します。
そのため、オウンドメディアが起動に乗ってからも定期的にSEOの効果測定と改善施策の実施をおこなう必要があるでしょう。
すぐに効果が出るわけではない
たとえSEOメディアを適切な方法で立ち上げたからといって、すぐに効果が表れるわけではありません。
SEOで順位を獲得しはじめた後、流入が増えはじめるまでには、3~6ヶ月程度の時間がかかるのが一般的です。
それまでの期間は、目立った効果を得られない状況のなかで、コンテンツの制作と内部対策、外部対策を継続していく必要がある点に留意しておきましょう。
オウンドメディアにおけるSEO対策の成功事例【フラップネクスト式!アクセス倍増の秘策】
本章では、フラップネクストによるオウンドメディアのSEO対策の成功事例を3つ紹介します。
成功の要因も深掘りして解説していますので、貴社のSEOメディアの構築・運用にも役立つはずです。貴社の課題と照らし合わせながらチェックしてみてください。
SEO対策で歯科クリニックのアクセス倍増に成功した事例
はじめに、歯科クリニックのオウンドメディアで効果的なSEO対策を講じたところ、サイトのアクセス数を倍増させることに成功した事例を紹介します。
この事例の成功要因は、通常のSEO対策に加えて、被リンク獲得の施策に注力したことです。
被リンク獲得の具体的な方法は以下のとおりです。
- 掲載可能なポータルサイトに申請・登録した
- 歯科医院に関する団体に加入申請した
SEO対策で競合に勝つためには、被リンク獲得が大切になります。
この事例では、特に歯科医院と関連が強く、権威性が強いホームページから被リンクを獲得するための施策をおこなったところ、徐々にSEOの評価が向上し、結果的に流入数が2倍以上に増加しました。
BtoBオウンドメディアのSEO対策で月間PV20万・問い合わせ100件獲得した事例
次に紹介するのは、BtoBビジネスのオウンドメディアにおいて効果的なSEO対策を講じたところ、20万超のPV数・100件弱の月間問い合わせ件数を獲得した事例です。
この事例の成功要因は、CVにつながるキーワードから優先的にコンテンツを作成したことです。
具体的な手順は、以下のとおりです。
- ターゲットが検索するボリュームの大きいキーワード(例:プログラマー)を探し出す
- 見つけたキーワードから、その1/100程度のミドルキーワード(例:アプリエンジニア 初心者)であり、なおかつ競合性の低いものを厳選する
- 厳選したミドルキーワードをもとに、CV・CVRにつながるコンテンツを作成する
上記に加えて、記事制作のオペレーションを整備したことで良質なコンテンツ作成につながり、結果的に月間PV数20万および100件を超える問い合わせ数の獲得に成功しました。
売上につながるキーワードを優先的に対策しCVR向上・SEOの予算半減に成功した事例
最後に、エンジニアの人材紹介サービスを提供する企業のオウンドメディアにおいて、売上につながるキーワードを優先的にSEO対策したところ、CVR向上・SEOの予算半減に成功した事例を紹介します。
この事例の成功要因には、以下があると考えています。
- 事前に実施した広告運用をおこない、「Ruby」のKWで大きなパフォーマンスを測定できた。
- 大きなSEO成果が期待できる「Ruby」関連のKW(例:「Ruby 人材確保」「Ruby 人材教育」)から優先的にコンテンツ作成を進めた。
エンジニアの人材紹介サービスのCV獲得を目指すオウンドメディアでは、各プログラミング言語のキーワードで時間をかけながらコンテンツを作成していく流れを取るのが一般的です。
しかし、これではSEO効果が得られるまでに多くの時間・コストが発生します。
そこで、事前に得たデータをもとに、対策キーワードに優先順位を付けたところ、SEO効果が得られるまでにかかる時間・コストの大幅な削減に成功しました。
この施策はBtoBだけでなくBtoCのビジネスでも応用できるので、積極的に取り入れてみてください。
作り方・コツを実践しSEOメディアの立ち上げを成功させよう
SEOメディアを作る際は、大まかに以下の手順に沿ってプロセスを進めていきます。
また、SEOメディアの制作・運用で成果をあげるには、以下のコツを実践することが大切です。
SEO対策の注意点や成功事例も把握したうえで、自社にとって適切な形でオウンドメディアの構築・運用を始めましょう。
なお、弊社フラップネクストでは、SEOメディアの構築・運用について幅広いサポートをおこなっています。
Webマーケティングに関する知識と豊富なスキルを有したスタッフが、貴社にとって最適なSEOメディアの構築・運用方法をご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
皆様からのご連絡をお待ちしています。
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オウンドメディア構築・運営支援サービス【Strategic Media】
株式会社フラップネクストのオウンドメディア構築・運営支援サービス【Strategic Media】では、お客様のメディアにフラップネクストのメディアチームが入り、貴サイトのゴール設定から記事制作、効果検証、リライトまでを一貫してサポートいたします。